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はるとまさこのマイケアプラン

ケアプラン自己作成への経緯

介護保険の導入とともに自己選択・自己決定の時代がはじまった。
介護保険の介護サービス計画(ケアプラン)はケアマネジャーに作成を依頼するのが一般的のようで、自己作成する人は少数派となっている。
しかし、介護保険パンフレットには、「自分で作ることもできる」と明記されており 介護家族がケアプランをたてることも出来るはず。

はるさんは要介護度5で寝たきりの状態ではあるが、デイケアやショートステイを利用してそれなりに暮らしている。介護をする側の私には、介護保険を上手に使うノウハウが必要になる。
介護と自分の暮らしを両立させるため、介護保険をもっとよく知りたいと学ぶうちに、 次第に自己作成を選択しようという気持ちが膨らんできた。
自己選択・自己決定が謳われている介護保険だもの。プランを選ぶのは自分、ケアマネジャーに手伝ってもらえれば客観的な視点も持てるのでは。だってケアマネジャー=介護 支援 専門員なんだから。
自分でケアプランをたてたり、考えたりすることは自分の生き方や暮らし方に責任を持つことにつながると思う。(2002.01記)
小枝

坂戸市ボランティアグループ「よりあい*ええげえし」が
発行する新聞に「はるとまさこのマイケアプラン」が
連載されています。
→ええげえし新聞掲載記事はここから

あなたも、ケアプランの自己作成をしてみませんか?

2000年:秋頃

介護保険が導入されて半年が経ち、ようやく介護保険のサービスにも慣れた頃、お義母さんの介護プランを自己作成しているという人(後に 全国マイケアプラン・ネットワーク 代表となる。)と知り合い、はじめて自己作成ということを知った。
友人としてのおつきあいが始まったが、ケアプランを自己作成していると聞いても、よそ事と感じていた。
まさか自分が自己作成に関わるとは、思ってもいなかった。

2000年11月頃

市発行の介護保険パンフレットをよく見ると、ケアプランは「自分で作ることもできる」と、明記されている。
高齢者福祉課でケアプラン自己作成者への対応について訪ねたところ、自己作成はお勧めしない、煩雑な作業で間違いが生じやすいのでケアマネジャーに作ってもらうよう勧めるとの返事。
顔見知りの職員だったので、 誰かが突然に自己作成を申し出る前にテストケース的に私にやらせてもらえないか、とも言ってみたが、渋い返事。でも、これからも何回かアタックしてみよう、と思った。
ケアプランを自分の事として考えると、介護保険の仕組みも分かるようになるし、生活の中に上手に組み入れることもできる。「介護保険はよく分からない」と嘆くだけではなく、積極的に学び、情報を得ることが必要と思う。

2001年4月頃

坂戸市高齢者施策推進懇話会などで市役所へ行ったついでに、自己作成について訪ねてみるが、担当職員も視野にいれていない様子。自己作成への対応策はないようだ。
一方、はるさん担当のケアマネジャーは、「いずれは自己作成をしたい。」と伝えると、「応援します。」と快く応じてくれた。ケアプランを勉強することに前向きで、事業所の立場からアドバイスをしてくれた。
ケアプランを自分で作ろうと資料を見ても、分からないことが出てくる。専門家からの助言がなくてはならない。いろいろな立場の専門家とパートナーシップを組まなくては、上手くいかないと思う。良い関係が築ければ自己作成もスムーズに進みそう。できればその中に行政も加わって欲しいと思うのだが。

「自分でもできるのでは、」と思い始めたのは、「よりあい*ええげえし」の仲間と介護保険の勉強会を行ったり、その活動の中で出会った人生の先輩の生き方などに触発されたからかもしれない。

[よりあい*ええげえし]の勉強会では、京都市のマイケアプラン研究会が発行した冊子「私にもつくれますマイケアプラン」をもとに学習した。この冊子は、友人から紹介してもらったもので、「地域で・元気に・相返し」を合い言葉に活動しはじめた[よりあい*ええげえし]の思いにピッタリの内容だった。

2001年夏頃

行政側に自己作成への理解が得られそうもない雰囲気があり、担当者にも困惑の様子が見て取れたので、あまり声高に言えなくなってしまった。
いつになったら自己作成ができるのかと少し焦りながらも、12月ころを目指して準備してみよう、と思いはじめた。
この間も、[よりあい*ええげえし]の仲間たちとマイケアプラン勉強会を続けた。学ぶにつれて、自分の暮らし方を自分で選ぶこと、回りの資源(施設・人・物・制度など)を、必要なときに必要なだけ、賢く上手に利用すること、また、世代間の交流も大切ということに、ますます気付かされた。 市役所の職員との信頼関係を大切にすることも…。

2001年10月

市役所に行き、12月から自己作成にできるかどうかを聞きに行くと、担当者は少しあわてた様子。そして、「来年1月からショートステイが一本化され手続きが簡単になるので、1月からにしてはどうですか。」と言われる。別の担当者が「いつでも誰でも受け付けるつもりでいますよ。」と言ってくれた。
12月からの自己作成のために行政の対応をなんとかしたいと言い続ける私に、[よりあい*ええげえし]の仲間から「どうして自己作成なの?」とあらためて尋ねられた。「はて?」と、しばし自分に問いかける。そして、行政の対応云々よりも「自分らしい暮らしのために、それが私のどうしてもやりたいことだったから」という原点にたちかえることができた。仲間から確認の大切さを教わった。

2001年10月末

「12月から自己作成しますので、手続きをお願いします。」と、市高齢者福祉課へ電話で申し入れると、「次回までに書類の準備をします。」と応じてくれた。
我が家では自己作成することが必要なのだ、という決意で申し入れたところ、なんともあっさり受け付けてもらえた。必要書類を用意するため10日ほどかかるということだったが、気持ちよく待つことができた。
今まで、高齢者施策推進懇話会でも言い続けてきたし、行政改革懇話会その他でも声があがっていたことや、 その他様々な場面でたくさんの方たちが働きかけてきた背景があってのことだと思う。市民の力も捨てた物じゃないと思う。

2001年11月上旬

自己作成用に準備された必要書類を受け取った。記入のしかたや 必要事項などの説明を受けた後、「初めてのことなので、情報交換しながら良い方法を考えて行きましょう」と、利用者の側に立ち対応してくれた。
書類は数種類(後述)に及んだ。これだけ用意するのは大変だっただろうな。たくさんの様式があり、記入するのに手間がかかりそうだったけど、その分、仕組みが良く分かり、かえってありがたかった。
必要不可欠な所とそうでもない所は、やっているうちに把握できそう。簡略化は徐々にすすめて行けるかも。

2001年11月中旬

介護保険証・週間サ−ビス表・照会内容表・サービス利用表及び別表を坂戸市へ提出。 「もっと分かり易くなるよう、且つ説明文が長くなりすぎないようにし、利用しやすくなるよう考えているところです。」と前向きな対応。
それぞれの者類の書き方を教えてもらった。利用表や別表は[よりあい*ええげえし]の勉強会で練習していたけれど、そのほかにも記入することがたくさんあった。居宅サービス計画書や週間サービス計画表に、我が家の生活を書き込む。あらためて日々の暮らしを見直す良い機会となった。

2001年11月下旬

介護保険証・週間サ−ビス表・照会内容表・サービス利用表及び別表・サービス提供表及び別表に確認印が押され戻って来る。介護保険証に「自己作成」と記載された。
事業所へサービス提供表及び別表を提出。ここでも、待ってましたと言う感じで受け取ってくれた。
市の公認印は大きくて、記入欄からはみ出すほど。初めての確認印にちょっと感激。担当職員ともすっかりうちとけ、和やかなムードで手続きが進んだ。
提供表・提供表別表を届けに行った事業所でも、皆さんに応援してもらっているのを感じ嬉しくなった。

2001年12月6日

自己作成に切り替え後、はじめてのデイケアに、はるさんが出かけた。と言っても今までと同じデイケアなので、なにも変わりはしない。 デイケアに行く度に、実績表に「1」と記入する以外は。
自己作成だからといって、なにも変わりはしないけど、なんだか晴れがましい気分。自分のことは自分で決めるという当たり前のことが出来ているからかもしれない。

2001年12月末

12月11日に、はるさんが肺炎で入院する事態となり、来月のケアプランの手続きは当分延期となった。
自己作成に慣れていないのに、急な変更となってしまった。少しあわてて高齢者福祉課の窓口へ行くと、症状が落ち着いてからの相談で間に合うので大丈夫と言われ、ほっと一安心。はるさんの病状が良くなったことを伝えると、いっしょに喜んでくれた。
こんな風に人間的なつながりができたことがとても嬉しい。
担当職員が「役所の敷居を低くして誰もが遠慮なく窓口に来てくれるよう心掛けて居ます。」と言っていた。市民と行政がパートナーシップを組めるよう、情報交換していきたいと願っています。

2002年1月7日

はるさんが亡くなった。いつかは来るはずのことだったが、家族にとっては突然の別れに思えた。最後まで私たちにたくさんのことを教えてくれたはるさんだった。はるさんとの暮らしをけっして忘れることはないだろう。はるさん、本当にありがとうございました。
はるさんの介護保険の手続きで市役所をたずねることは、もうなくなったけれど、やがて来る自分たち夫婦の高齢期に向けて心の準備をしながら、行政の情報を上手くとりいれていきたいと思う。
高齢者施策推進懇話会の任期を終えたら、福祉の勉強でもはじめよう。
【参考】
自己作成のために坂戸市が用意している書類 ・「居宅サービス計画を自己作成する方へ」(A4両面の説明書)
・居宅サービス計画書(1)(2)
・週間サービス計画表
・サービス担当者に対する照会(依頼)内容表
・サービス利用表及び別表
・介護給付費単位数サービスコード表(A4・36頁)
・記載例(A4・7頁)
・介護保険事業者一覧(A4・13頁)

その他に、「自己作成にかかる書類チェックシート」があり、自己作成の手順が分かり易くなっている。

2000.4.1以降の介護保険利用状況(いずれも老健) ・デイケア/週4日(土・日・火・木)
・デイケアでの入浴/週2回(日・木)
・ショートステイ(10〜14日間/月)
・長期入所/春季2〜3ヶ月・秋季2〜3ヶ月
2001年12月
初めて挑戦したケアプラン自己作成のメニュー
・通所リハビリV3重度/週4回(土・日・火・木)
・通所リハビリ食事加算
・通所リハビリ送迎加算
・通所リハビリ入浴介助加算/週2回(日・木)
・老健短期T5・リハ/14日間


2012年3月

はるさんとお別れした2002年1月から、10年も経ちました。あっという間のような気がします。
この度、全国マイケアプラン・ネットワークの活動を通じて、デジタル・ストリーテリング(DST)研究所と知り合い、仲間とともに動画作成の運びとなりました。
はるさんから、人は、生きてきたように老いていく。どんな状態になってもその人らしさは失わない、と教えてもらいました。今、私は、誰もが自分らしく暮らせるにはどうしたらいいのか、地域の仲間と学び合い、充実した毎日を送っています。マイケアプランを教えてくれたはるさんに、限りない感謝をこめて「ありがとう」。

動画をご覧ください→ マイケアプランを教えてくれたはるさんへ
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