はるさんの一日

2001年12月19日より、はるさんは経管栄養になった。

ここ数年、誤嚥性肺炎をたびたび起こし、入退院を繰り返した。 次第に食べ物を飲み込むこと(嚥下)が困難になり、
口からの食事摂取ができなくなったので、経管に頼ることとなった。

2002年1月のはるさんの一日
朝、身体の向きを変え、床ずれ防止の体位交換をする。おむつを替えてサッパリしたあと朝食となる。
食事が胃に入り始めると分泌物が多くなるので、 まず、痰の吸引。口より鼻の方が雑菌が少ないので、鼻からの吸引を先にして、その後、口の中からの吸引をする。

痰の吸引が終わったら、いよいよ経管でのお食事タイム。
経管の先端が胃のなかに納まっていることを確認するため、少量の空気を注入して、聴診器で胃の中の空気音を確かめる。
薬をぬるま湯で溶き、針なしの注射器を使って、経管を通じて胃にゆっくり送り込む。
栄養剤ラコール400ccを湯煎で暖め、接続チューブを使って経管に繋ぎ、1〜2秒に1滴ずつ落とす。
ベッドの背を少し上げて、はるさんの身体を斜めに起こした状態で、約2時間かけて注入。途中はるさんの顔色を見たり、2時間で納まるよう点滴の速さの調節をしたり、結構忙しい。栄養剤の注入が終われば、管を洗うような感じで人肌に暖めた白湯を100cc点滴する。これで一回のお食事が終わるのだが、その間、はるさんはじーっとしている。

その後、からだの向きを換えたり、痰の吸引をしたり、おむつを替えたりしている内に、昼の食事時間が来る。

同じように、あっという間に夕食の時間が来る。7時頃から点滴を始めると、終わるのが9時頃。11時頃と深夜1時頃にからだの向きを換えて、私も就寝。午前4時頃に体位交換。あとは、前日の繰り返し。
たった2日間で終わってしまった経管栄養の日々でした。
残念でたまりません。こんなに早く、 はるさんとお別れすることになるとは思いもよりませんでした。もっともっと、いっしょの時間を過ごしたかったのに。
でも、はるさんは、精一杯私にお付き合いしてくれたのかもしれません。

ありがとう、ありがとう、はるさん。
天国で待っている、おじいちゃんと仲良く過ごしてください。

介護体験記に戻る

トップに戻る

This is masako's homepage. ©masako Since 2000.12.31