はるさん日記:2001.06

6/1
はるさんは飲み込みが上手にできなくなってきたので、食事介助に時間がかかる。このごろは口を開けようとしないので、スプーンを口のそばに持っていき「あーんして」と繰り返しいわなくてはならない。ようやく口の中にいれてやってもモグモグしないので、「モグモグして」。次には「ゴックンして」と繰り返す。それでも通じないことが頻繁にあるので、ほっぺを刺激したり冷たいゼリーを唇に当てたりしてモグモグと動き出すのを誘う。ミキサーにかけたお粥やおかずを根気よくスプーンで一口ずつ運ぶんだけど1時間かかることもある。ふつうなら簡単なことだけど、かわりに私が食べるわけにいかないものねえ。
6/6
はるさんの食べることと出すことに翻弄される毎日にちょっと疲れ気味〜。「出すこと」につきまとうアレコレは、数ある介護の中でも特に大変で〜す。でもあと十日でショートステイになるからもう一息。
6/13
訪問看護婦さん来訪。血圧120/60、熱もないし、身体の調子はなかなか良い。このごろ食事時間がかかり大変と愚痴る。
6/15
今日は一段と食べっぷりが悪い。すっかり眼が覚めてからの朝食だったのに、ちっとも食が進まない。得意のはずのゼリーも舌で押し出してしまう。「お昼は食べるかな」と期待したけど、あまり食べなかったのでゼリーとヨーグルトを食べさせたら、これはちゃんと食べられた。夕食もいつもの半分くらいで、後ろそりの姿勢になってしまった。こうなると危険なので中止。明日に期待しましょ。
でも、今日は排泄「大」が何回も出たので、まあ、良い一日だったことにしようっと。
6/17
今日から14日間のショートステイなので、はるさんをケアホームに連れていく。タイミングが悪かったのか、はるさんのご機嫌が悪い。車に乗せようと近づいた長男に激しく抵抗して抱っこできない。このような羨妄症状の時は手を焼くけど、少し時間をかけてゆっくり話しかけ抵抗が収まるのを待つ。
なんとかケアホームに着き、引継をすませたあとは私の自由時間が戻ってくる。サアサア次の予定を済ませなくちゃ。今日は障害者交流会に参加するのだけれど…、ワーイ遅刻だ。
6/23
着替えや洗濯物を持ってケアホームへ。はるさんはベッドで昼食後の休養中。ウトウトしていたけど、「はるさん、具合はどう?」と手をにぎったら「いいよー」と答えた。少し手が暖かい。着替えをタンスにしまっていると職員のかたが体温計を持ってきた。今朝37.5度の熱だったとか。計ってみたら37.3度だった。でも、昼食は全部食べたそうだからまずまずかな。ウトウトしているはるさんのそばで、年金のことを話題にしたら「もう、なくなったよ。」ときっぱり言った。あらあら、ちゃんと聞こえていたんだ。年金を取られちゃうと思ったのね。話題には気をつけなくては。ごめんね。
6/30
雨。長女の運転ではるさんを迎えに行く。この前の熱はたいしたこともなく回復したので、今日は元気そう。若く美人そろいの職員さん達に「はるさん、元気でね。」「おうちに帰ったら、口を開けてちゃんとご飯食べてね。」と見送ってもらった。その言葉を覚えているはずはないけれど、久しぶりの我が家の夕ご飯の時は「あーん!」と口を開けて食べられた。夜仕事から帰ってきた夫も「ご飯食べた?」と心配そうだったけど、きょうのところはOKです。

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